当社で管理している区分所有マンションの賃貸物件ですが、
退去したお部屋の新規賃料、更新を行ったお部屋の賃料が殆ど上がっています。
一般的に不動産投資はインフレに強いといわれています。
物の価格が上がると新築を建てる原価が上がるため中古物件も上がる事になります。
ある側面ではそうですが、皆様が不動産投資を行う際に考える部分は利回りだと思います。
次の例で不動産投資におけるインフレを考えてみましょう
区分所有賃貸マンション
物件価格3,000万円
月額賃料が12万円
年間の賃料は144万円で購入価格3,000万円で割り戻すと4.8%の利回りの物件です。
ここでインフレになり物の値段があがり新築マンション価格が上昇した事により
上記の中古物件価格が3,000万円から4,000万円に上昇したとします。
値段が上昇したので4,000万円で売却する事を検討しました。
購入者から見た利回りは144万円を4,000万円で割り戻すため3.6%となります。
(ここでは銀行から借り入れる金利等の上昇等の細かな点は加味しませんが、インフレは
一般的に金利上昇圧力になります)
上記のを考えて皆様はオーナーチェンジ物件が高く売却できると思いますか?
既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、オーナーチェンジ物件は
物件価格が上がったからと言って高く売却できるか!?というと
そうではないと思われたのではないでしょうか。
つまりインフレになり物件価格が上昇したと同様に賃料の上昇を行う必要があります。
この場合は当初購入時の利回り4.8%にするためには4,000万円×4.8%で家賃収入を年間192万円にする
必要があります。
現状で貸している年額の家賃収入144万円
新たな物件価格で利回り上げる年額の家賃収入192万円
192万円-144万円=48万円不足している事になります。
不足分は賃料値上げを行う必要がありますが、更新時に月額4万円(48万÷12)の家賃を上げるのは
非常に難しいと思います。
賃料値上げの明確な根拠も必要となると思います。多くの方は退去を検討されると思います。
当社の経験則で家賃の値上げのポイントをいくつかあげたいと思います。
・現状で類似物件の相場観はどうなっているか
suumoやhomesなどで相場は簡単に調べる事ができます
・どの位の期間住んでいて賃料が割安になっていないか
概ねの目安ですが更新が4回(8年以上居住)を超え都心部にある部屋の賃料が
割安になっている様に思います。
・入居者の方が移転を考えた時にかかる費用
もし入居者の方が類似する物件に移転を考えた場合、様々な費用がかかります
引越費用、仲介手数料、家具の買い替えなどがかかります。これらを考慮しながら
賃料の値上げ交渉するが成功につながります。
当社が管理している物件の実例
2014年賃料320,000円➡更新賃料350,000円
2014年賃料210,000円➡更新賃料240,000円
2014年賃料135,000円➡新規賃料170,000円
こうした調整も賃貸管理会社の役割だと思いますが、おそらく殆どの賃貸管理会社から
こうしたアドバイスはないと思います。
まずはご自身で調べて相場観を調べることから始めると良いと思います。
著者:日本AMサービス 堂下